〈参加前向け〉双子島神楽歌 ネタバレなし紹介!

2019.09.02

Rabbithole のこけら落とし公演として始まった「双子島神楽歌」。マーダミステリー専門店が放つ最初の作品のネタバレなしのレビューです。

このシナリオは、それぞれに事情を抱えた純和風探偵小説の容疑者として事件の捜査を行うことになります。

事前公開情報

▼イントロダクション
太平洋沖に浮かぶ巫汰児列島(ふたごれっとう)の主島である二つの島、「陽島(はるしま)」と「陰島(かげしま)」。通称「双子島」と呼ばれるこの島で、七年に一度、四月の頭に行われるという珍しい神事の翌朝、巫汰児神社の社殿で、宮司である両儀尊流(りょうぎたける)と、地元有力者の舟護正造(ふなもりしょうぞう)、二名の遺体が発見された。そこに現れた、奇祭マニアで私立探偵の須藤崇法(すどうたかのり)は、島の神事を見学するつもりが、日付を一日まちがえて、今朝の船で島にやってきたらしい。須藤は、隣の陽島の駐在所に連絡を入れ、警官の到着を待つ間、神事に参加した人たちに話を聞くことにした……

フェーダー紹介

フェーダー紹介とは、マーダミステリーに特徴的な部分を定性的・定量的に紹介するものです。

・GMあり-GMなし

GM必須のシナリオです。GMがいくつかのイベントを専門に管理する、お店でしかできない体験を提供しています。

・専用スペース-自宅

 シナリオそのものが原則Rabbitholeで行う前提で作られていて、外部での販売はされていません。専用スペースだからこそ、他の音に邪魔されずにシナリオに集中することができ、BGMなども雰囲気を盛り上げてくれます。

・ウソあり-ウソなし

このシナリオは、ウソをついてもいいことになっています。ウソをついて個別に隠したい事情をごまかすことはできますが、ウソをつくことで真相を暴くことは難しくなってしまいます。

・参加人数と最低参加人数

基本的には10名でのプレイですが、9名でもプレイできます。

・犯人の特徴

(ここでは秘密です)

・探偵

いわゆる「探偵」がいるシナリオです。基本的には探偵は、事前情報が少なく、全ての情報を聞き出して犯人を探すことを基本的な目標にしています。外部とのしがらみがなく情報を得やすい反面、プレイ中は情報が一気に集まるので情報整理の能力も求められます。

・時間

実プレイは前半50分、後半60分ほどのプレイ時間以外に、終了後の感想戦なども含まれるため、約3時間ほどを考えておくといいと思います。

・キャラクターロールプレイ

謎解きや人狼に比べると、キャラクターとして物語の中に生きている感覚が強く、キャラクターとしての発言がしやすくなっています。また、ギミックとしてキャラクター同士で会話することもあります。このシナリオでは、解決のための最適解を探すためにメタ発言をしたり、キャラクターの冊子をそのまま読むより、少し違っていても自分だったらどう思うかを考えて楽しんでほしいと思います。心配なら「ちょっと思い出す」といって冊子をみてみるといいでしょう。

・ギミックの種類

-アクションポイント
自分がもっているアクションポイントを使うと情報が手に入る
-読み合わせ
全キャラクターで同時に読み合わせを行う
-密談
最大3人で密談をします
-全体ミッションと個別ミッション
犯人を見つけるという以外に、個人に秘密の使命があります。

オススメポイント

・アクションポイントや密談をとりいれた自由なスタイルと、読み合わせや進行度合いをGMが管理する管理型のスタイルをうまく組み合わせた、日本国産のマーダーミステリーであること。もし、現状日本ではほとんど提供されていないクローズ型を知りたければ、この公演が一番それに近い内容です。

・個人の感想ですが、物語の中にすっと入っていって自分が別人であるかのような感じを受けます。固定のセリフがわずかにありますが、基本的には自分自身として行動しているはずなのに、物語が進むにつれてその島の一人として入り込んでしまいました。これは個人の設定と物語が非常によくできているからだと思います。

・お店でしかプレイできないゲームであり、海外発のマーダーミステリーの面白さと日本特有の伝統的な推理小説っぽい面白さをうまく組み合わせたシナリオです。今のところ、推理よりも物語の美しさに惹かれる部分が多いですが、終わった時にその経緯にあっと驚く部分が多く、おそらくこれは正解にたどりつきやすいマーダーミステリーではないかと思います。

・「嘘」の混ぜ方のシステムが非常に秀逸です。嘘は自由ですが、やりすぎると全体ミッションである犯人を捜すことができません。特に、犯人を捜すことと個別のミッションのクリアとを比べて、全体ミッションを優先させてほしいというシステムも隠したり隠されたりで困りがちな初心者にはとてもいいと思います。

・現在、王府百年と並んで最高のエントリーモデルだと思います。
もっと推理を、と思ったら、中国発のシナリオ「純白の悪意」「業火館殺人事件」などをおすすめします。

 

soukyuu

クトゥルーライブサークル マスカレイドのコアメンバー。 マーダーミステリー、ボードゲーム、LARP、TRPGなど体験したり物語を作っていくゲームが好き。
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